ルータ選びで最初に確認すべきポイントは「Wi-Fi規格」です。
規格が新しくなるほど通信速度や安定性は向上しますが、その性能を十分に発揮するには、利用している端末や契約中のインターネット回線が対応していることが前提です。
また「最新規格=必ず高額」というわけではありません。価格は同時接続台数や処理性能といったスペックによって左右されるため、最新規格でもエントリーモデルなら手頃に購入できるケースもあります。
自分の利用環境と端末の対応状況を確認し、どの規格が最適かを見極めること が、失敗しないルータ選びの第一歩です。
Wi-Fi規格の違いを理解する
Wi-Fiルータを選ぶうえで欠かせないのが「規格」の理解です。
Wi-Fiは世代ごとに進化しており、速度や安定性、同時接続のしやすさが大きく変わります。下記の図では、ルータを「どれだけ快適に使えるか(速度・安定性・同時接続)」と「最新規格への対応度」の2軸で整理しました。
図の見方はシンプルです。
・上にあるほど「快適に使える」
・右にあるほど「新しい技術に対応している」
・点線で囲まれたエリアは「6GHz」という混雑しにくい電波に対応したルータ
各Wi-Fi規格の特徴
表で全体像を確認したところで、次にそれぞれのWi-Fi規格がどんな特徴を持っているのかを詳しく見ていきましょう。
| ルータの種類 | 用途や予算など考え方 |
|---|---|
| Wi-Fi7、6GHz対応 | 買うなら良いものを!最高スペック・長期利用を見据え、価格よりも性能や機能を重視する場合に最適。 |
| Wi-Fi7、6GHz非対応 | Wi-Fi7を使いたい。間取り的に電波の心配がなければ、6GHz非対応モデルでコストを抑えられる。 |
| Wi-Fi6E、6GHz対応 | 拡張性とコスパのバランスを重視。最新規格ほど高価ではなく、6GHz帯の安定性も確保できる。 |
| Wi-Fi6 | とりあえず快適に使えれば十分。価格を抑えつつ、現状の端末や回線環境で困らないレベルを確保できる。 |
| Wi-Fi5以前の製品 | 有線接続がメインで、Wi-Fiはサブ的に使えれば良い。最低限の利用で十分なケース。 |
iPhoneでみるWi-Fi規格
iPhoneの場合、2024年以降のモデルからはWi-Fi7に対応した機種が登場しています。ただし、その性能をフルに活かせるのは「最新の端末を使っている」「インターネット回線で10ギガを契約している」といった限られた環境です。多くのユーザーにとっては、まだWi-Fi7の恩恵を十分に受けられる状況ではありません。
また、家庭で利用するインターネット回線が1ギガであれば、回線そのものがボトルネックとなり、どの規格のルータを選んでも体感速度に大きな差は出にくいのが実情です。むしろ違いが出やすいのは、広い家や入り組んだ間取りで電波が届きにくい場合や、接続端末が多すぎてルータの処理性能が不足している場合など、Wi-Fi規格以外の要因によるケースです。
iPhoneでルータを選ぶときは、「今のスマホの規格に合わせる」か、あるいは 「Wi-Fiは下位互換性があるので、将来の買い替えに備えて上位規格を選んでおく」かを基準に考えるのがおすすめです。
まとめ|Wi-Fi規格選びのチェックポイント
Wi-Fiルータを規格で選ぶときは、次のポイントを確認してみましょう。
Wi-Fi規格を選ぶポイント
- お使いの端末の対応規格 →スマホやPCが対応している規格を確認
- インターネット回線の速度 →1Gbps回線ならWi-Fi6でも。高速回線を利用するならWi-Fi7を検討。
- 家の広さ・間取り →広い家や電波が届きにくい間取りなら、6GHz帯に対応したWi-Fi6E/7が有利。
- 拡張性 →故障しにくい前提で長く使うなら、将来の端末買い替えを見据えて上位規格を選んでおくのも安心。
Wi-Fi規格を決めたら、次は同じ規格の中でどのルータを選ぶかがポイントになります。性能やルータの仕様チェック方法は、こちらの記事で詳しく解説しています。
Wi-Fiルータを選ぶときに迷いやすいのが「どの基準で選べばいいのか」という点です。特にiPhoneなどスマホでの利用を前提にする人が多いため、自分の環境に合った基準で選ぶことが大切になります Wi-Fi7やWi-Fi6といった規格、[…]

