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ネットが遅い原因の特定方法|回線速度・Wi-Fi電波・ルータをチェック

自宅のネット環境、快適に使えていますか?

「ネットサーフィンが重い」「YouTubeが時間帯によって止まる」など、日常のちょっとしたストレスを感じている方も多いのではないでしょうか。実は、ネット環境は一度しっかりと見直すことで、驚くほど快適になります。ただ、「どこをどう調べればいいのか分からない」「何が原因なのか見当がつかない」といった理由で、なんとなく我慢して使い続けているケースも少なくありません。

この記事では、そんな状態から抜け出すために、自宅ネット環境の把握方法と、遅さの原因を見つけるためのステップをまとめて紹介します。

 

ネット環境を把握しよう

快適なネット環境とは、時間帯や場所に左右されず、ストレスなく使える状態のこと。まずは、日常の中で感じている「ちょっとした不満」を思い返してみましょう。

  • 動画が止まらず、きれいな映像で再生できているか
  • ZoomやTeamsなどのテレビ会議で音声が途切れないか
  • Discordやパラレルなどのボイスチャットでノイズや遅延がないか
  • ダウンロード速度に不満を感じていないか
  • 夜になるとネットが重くなることはないか
  • 家の中のどこでも安定して使えているか
  • スマート家電がスムーズに動作しているか

こうした不満がある場合は、まず「今のネット環境がどうなっているか」を把握することが大切です。次の項目では、自宅のネット構成を整理する方法を紹介します。

自宅のネット構成の把握

今、自宅のネット環境を正しく把握できていますか?ルータの設置場所、接続している機器の数、Wi-Fiの届き具合など、簡単な図にしてみるだけでも見えてくるものがあります。下記は私の家のネット構成ですが、この程度の内容で十分なので絵に書き起こしてみましょう。

NW構成1

インターネット接続機器はパターンがある

戸建てか集合住宅か、回線の契約方法や工事内容によって、使用しているネット機器の構成は大きく変わります。下記に代表的な構成パターンを図でまとめていますので、ご自身の環境がどれに近いかを確認する際にご活用ください。(※画像はクリックで拡大できます)

ファミリータイプ(戸建て)
family-topology
マンションタイプ(集合住宅)
mansion-topology

ネット接続に使う機器

図の中に登場する機器には、それぞれ役割があります。「ONU」「ホームゲートウェイ」「ルータ」など、どの機器が何をしているかを把握することで、改善ポイントが見えてきます。

名称画像特徴
ONUGE-PON-ONU・光信号とデジタル信号の変換装置
・インターネット側とは光ケーブルで繋がっている
・ONU単体には設定はない
VDSLモデムVH-100・アナログ信号とデジタル信号の変換装置
・インターネット側とは電話線で繋がっている
・VDSL単体には設定はないが、ルータ機能と一体になっているモデルもある
ホームゲートウェイ(HGW)/ひかり電話ルータHGW・光、LAN、VDSLなど各配線方式用に複数種類があり、これ1台でONU、VDSL、ルータ(回線接続)
、Wi-Fi、ひかり電話などの機能がある
・インターネット側とは光ケーブル、LANケーブルまたは電話線で繋がっている
Wi-FiルータAX3200・ルータは、回線接続機能、Wi-Fi機能がある
構成によっては、回線接続はHGWで実施して、Wi-Fi機能のみ使っているケースもある
・インターネット側とはLANケーブルで繋がっている
ネット構成が把握できたら、次は期待できる通信速度の目安を確認してみましょう。インターネット回線の申し込み時の資料や請求書にかかれているサービス名をみると良いでしょう。
利用環境に応じて、期待できる最大の通信速度が変わりますので下記表に当てはめて確認してみください。
光回線のタイプ方式見分け方(引き込まれている線)期待できる最大速度
ファミリータイプ(戸建て)光配線方式光ケーブル1~10Gbps
マンションタイプ(集合住宅)光配線方式光ケーブル1~10Gbps
VDSL方式電話線100Mbps
LAN配線方式LANケーブル100M~1Gbps

 

インターネット回線速度の把握

ネット構成が整理できたら、次は「通信速度」を確認しましょう。スマホやパソコンなど、普段使っている機器で、場所や時間帯ごとに速度を測定することで、遅さの原因が見えてきます

速度測定方法

簡易的な測定方法は、「Googleが提供するインターネット速度テスト」にアクセスすると、「速度テストを実行」ボタンを押すだけで、現在の通信速度(下り・上り・レイテンシ)を1クリックで測定できます。

もっと詳しく調べたい場合は、「みんなのネット回線速度」がおすすめです。同じプロバイダを使っているユーザーの速度情報や、地域別の傾向なども参考になります。

速度結果の結果を先ほどの絵に書き込むと次のようになりました。

NW構成2

ネットの接続方法によって、通信速度や安定性には大きな差があります。多くの方は利便性からWi-Fiをメインに使っていると思いますが、動画視聴やオンラインゲームなど、安定性が求められる場面では有線LAN接続が最も効果的です。

 

インターネット回線の方法

インターネット回線そのものの速度も確認しましょう。回線速度の測定は、できるだけシンプルな構成で行うのがポイントです。LANケーブルで直接接続し、Wi-Fiを介さずに測定することで、回線本来の性能を把握できます。

速度は曜日や時間帯によって変動するため、普段よく使う時間帯を中心に、複数のタイミングで測定しておくと精度が高まります。

NW構成3

最大1Gbpsの光回線を契約している場合、300Mbps程度のダウンロード速度が出ていれば平均的なパフォーマンスといえます。もしそれよりも大きく下回る場合は、以下の点を確認してみましょう。

  • 契約プランが「最大100Mbps」や「最大200Mbps」のハイスピードタイプではないか
  • 接続方法がWi-Fi経由になっていないか
  • 宅内配線が古い電話線やLANケーブルになっていないか
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Wi-Fi電波状況の把握

Wi-Fiの場合は、電波の届き具合や障害物の影響によって、通信速度が測定場所ごとに変化します。iPhoneを使えば、無料でWi-Fi電波の強度を測定できるので、ルータの設置場所や電波の死角を確認するのに役立ちます。

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利用シーン別の通信速度の目安を確認しよう

通信速度を測定したら、次は「どのくらい出ていれば快適なのか」を把握しておきましょう。測定結果には「ダウンロード(下り)」と「アップロード(上り)」の項目がありますが、動画視聴やネットサーフィンなど日常利用では“ダウンロード速度”が重要です。アップロード速度は、YouTubeで動画を配信したり、オンラインストレージに写真や動画を保存する際など、限られた用途で使われます。

以下に、主な利用シーンごとの必要速度の目安をまとめています。

利用シーン必要な速度目安参考
YouTube4K:20Mbps

HD1080p:5Mbps

YouTubeシステム要件
NETFLIX4K:25Mbps

HD:5Mbps

NETFLIX推奨されるインターネット速度
Zoom1080p HDビデオ: 3.8Mbps/3.0Mbps(アップ/ダウン)Zoomシステム要件
ネットサーフィン10Mbps10Mbpsの通信速度があれば、本ページ(約1.4MB)を1.5秒程度で表示させることができると思います

 

Wi-Fiルータの規格を確認

「スマホは最新なのに、なんだかネットが遅い…」そんなときは、Wi-Fiルータの規格が古いままになっていないかを確認してみましょう。

Wi-Fiには世代(規格)があり、通信速度や安定性が大きく進化しています。たとえば、Wi-Fi 4(IEEE 802.11n)とWi-Fi 6(IEEE 802.11ax)では、最大通信速度が10倍以上違うこともあります。新しいスマホやパソコンを使っていても、ルータが古いままではその性能を活かしきれません。

特に以下のような症状がある場合は、ルータの交換時期かもしれません。

  • 接続台数が増えると極端に遅くなる
  • 部屋を移動すると通信が不安定になる
  • ルータの設置から5年以上経過している
  • Wi-Fiの規格が「ac(Wi-Fi5)」より前の世代

ルータの規格や交換タイミングの見極め方については、以下の記事で詳しく解説しています。

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まとめ:改善ポイントを特定して対策しよう

自宅のネット環境に不満があるときは、まず「どこに原因があるのか」を見える化することが大切です。

ネット構成・回線速度・電波状況・ルータの規格など、それぞれの要素が通信品質に影響しているため、順を追って確認することで無駄なく改善できます。

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「スマホは最新なのに遅い」「夜になると動画が止まる」などの悩みも、原因を特定すれば対策はシンプルです。まずは電波調査から始めて、必要に応じて回線や機器の見直しを検討してみましょう。